青森のたび

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9月の終わりになりますが、5連休をいただいて青森へ旅行へ行ってきました。


しっぽりと、目的地までの過程を楽しみながら旅をしたいという事で、
夜行列車やローカル線を使った、のんびりとした3泊4日の旅です。

大きな目的は「青森県立美術館」と「十和田市現代美術館」、そして「らんぷの宿」に泊る事!


学生のころからずーっと行きたかった、青森の2大美術館。
とくに十和田市現代美術館は、金沢の21世紀美術館を設計したSANAAの西沢立衛さんによるもの。
山間にひろがる町の、町並みに沿うようにつくられたガラス張りの集落の様な構造で、
作品のむこうに民家が見えたり、逆に子供が走り回る公園からは館内の作品が丸見えだったりと、
美術館にいるということを忘れるくらい、和やかで素敵な空間でした。

 

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そしてもうひとつ。青森に行くならここに泊らなきゃ!と思っていたのが「青荷温泉 らんぷの宿」。
弘前からローカル線の終着駅まで電車でごとごと。そこからバスに乗り山のふもとまで40分。
さらにお宿の送迎バスでひと山越え、少し下ったところにひっそりと建つ温泉宿です。


びっくりするほど長い道中ですが、収穫期を迎えた黄金色の田んぼが遠くまで広がる風景をみたり、
送迎バスの運転手さんが、「ここゴイッと(急な)カーブよ!」など津軽弁で楽しくおはなしして下さったりと、
普段車で移動していてはなかなか得られない、ゆったりと贅沢な時間でした。


ランプの宿は、テレビも電話もない、オイルランプの明かりのみで過ごすお宿。
夜は、ぽわーんと、オイルの香ばしくてなつかしいかおりと、薄暗いけどやさしい明かりにつつまれます。
よけいな明かりや音がない分、夜の山の闇や、川の音、満天の...ではありませんでしたが
見た事ないほど密集した星など、自然の表情をより身近に感じられた一夜でした。


薄ぐらーい館内で、お宿の方が冷えたリンゴを剥いてくださり、「ないしょだよ」と言いながら
浴衣の袖にリンゴをひとつづつ、忍ばせてくれました。

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他にもたくさん素敵な場所がありましたが、書いても書いても書ききれません。


でも今回一番の衝撃を受けたのが、東北の方がびっくりするほど優しいこと。
青森最後の夜、ホテルの方に教えてもらった地元の小さな居酒屋さんでは、
お店を切り盛りされるご夫婦が、まるで親戚の娘が帰省したかのように、深夜までもてなしてくれました。


大きなバックパックを背負った、遠方からの女子二人が珍しいこともあるかも知れませんが、
会う人会う人に、いい意味でショックをうけるほどの優しさを頂きました。


初めて行く土地ばかりでしたが、なんだか会いたかった人に逢えたような、
とてもあたたかな気持ちをもらった4日間でした。

 

 

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